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100万の罠 

こんにちは。
お盆休みも終わりますね。私の仕事始めはもう少し後なのですが、
だらけきったこの日常から社会復帰できる気がしません…。
そして制服は入るのか?!それが一番心配。
私以外のメンバーは皆細くて(5号7号って何だ)、制服を借りられないので
いつもブラウスを忘れないかヒヤヒヤしつつ出勤しております。。。
だから以前水浸しにした時もどうしようもなかった(笑)

数日後にはflumpoolのライブに行きます~!
初めて行くのですが、新曲も素敵だし楽しみです♪
図書戦の前売を頂いたので後1回は映画も行きたいし。
スクリーンでのまえぬボイスを堪能しなければ。
私、何度も行っているのですが一人で観た事がないのでちょっとドキドキです。

さてさて、今回も素敵な頂き物をアップします。
30万アクセスのお祝いに、とspicaのショウタ様から頂いたSSですv
こちらが初見ですよ~!ファンの皆さま必見☆
「続きを読む」からどうぞ。



【戦争 上官部下期】

100万の罠


こんなはずじゃなかったんだ。


とことん絞り上げて、もうこんなところは嫌だと弱音を吐くまでやり合って、いっその事図書隊から去って欲しかった。
俺の前で傷つく前に。
非力でも勇敢な少女だったあいつを、こんな場所に連れてきてしまった昔の俺を、こんなにも憎く思ったことはなかったのに。
捨て去った欠点まみれの俺を、後生大事に抱えたあいつはそんな昔の俺が良いと言う。



こんなつもりじゃなかったんだ。



 守りたかった存在は、そんな俺の腕をすり抜けて危険を諸共せずに突き進んで行く。
 その目は俺を射抜いて決して揺らがない。
 守られる存在ではなく、守りたいのだと。そういう己がいいのだと。
 ならばその想いごと、その存在を守り抜くしかないのだと、そう結論が出たのはごく自然なことで。
 それが部下を想う気持ちからなのか、それ以外から派生したものかはもう俺の知ったことではない。

 ああ、頼むから。
 もうこれ以上俺を混乱させないでくれ。

「結局敵う訳ないんだよ」

 小牧が頭を抱える俺を見て嘲笑する。
 ああ、そうだ。



 あいつは俺を惑わす100万通りの罠を持っている。




◇◇◇


「だから、そうじゃないってば」

堂上の背中で郁の甲高い声が弾けた。隣の手塚相手に、次のおはなし会で使うペープサートの作り方を伝授しているらしい。
 『情報歴史資料館』での攻防戦の後、やっといつもの賑やかな声が聞こえて始めて、特殊部隊の事務室内も漸く普段通りの空気を取り戻してきたところだ。
 作戦から外され、堂上からも戦力外通告された後の郁の落ち込みようは凄まじかった。
 郁一人の存在が事務室内、言わば特殊部隊のムードメーカー的存在になっていたのだと、その時になって皆気がついたのだろう。堂上の背中に痛い視線が突き刺さり、それは暫くの間続いた。堂上は黙ってそれに耐えることしか道が無かった。

キーボードを叩く速さを少し緩めて、無意識に後ろの会話に耳をそばだてている自分に、堂上はふと気がついた。
 また、一瞬で意識を持っていかれている。
 内心で小さな舌打ちをして、堂上は目の前の画面に無理矢理視線を戻した。

「こっちの棒を画用紙に挟んで固定しないと。もうちょっと上まで棒を入れ込まないと紙がへたっちゃうでしょ」
「それにしたってこれ大きすぎないか?どう考えても一本じゃ支え切れないだろう」
「ええ?だって二本入れちゃうと、両手で一つしか持てなくなっちゃうじゃん。人数が足りなくなっちゃうよ、それじゃあ」

郁はデスクの上で頬杖を付いて、暫し考えている。目で見なくても、その表情は頬を膨らませていると知れる。表情豊かな郁のどの顔も、堂上はすぐ脳内で再生できる自信がある。この場にいる誰よりも早く。
 その中できっと一番多いのは、泣き顔であることさえも。

今度はキーボードを叩く指さえも止まってしまっていて、己の不甲斐なさに愕然とした。
 回転椅子の背もたれに背中を預けて、深い溜息を落とす。

「そろそろ休憩にする?」

目の前の小牧がくすくす笑って堂上に声をかけたのを、苦々しい表情で受け取って、堂上は小さく顎を引いた。



郁が淹れたコーヒーを口に含みながら、懸命にペープサートと睨めっこしている部下の姿をそっとマグ越しに伺う。

――お前が辞めても別に困らない

稲嶺指令を救出後、郁に放った言葉は心からの本心だ。それに間違いはない。
 ただ、それは上官である堂上の言葉であって、堂上篤としてなら違ってくるのだと、言ったすぐ後に気が付いた。

惜しくはなるかもな、なんて嘘っぱちだ。
 郁が稲嶺指令と共に連れ去られたと一報が入ったその瞬間に、思い知った。
 もう手放せないのだと、失っては困るのだと、心底思ったのはその時だ。

 何だお前、何時の間に俺の中に忍び込んだ。
 こんなにも深く。あまつさえ夢にまで出てきて俺を惑わすほど。
 出遭ったのは運命だなんて、そんな甘い戯言を信じられるほど軽い男ではないつもりだ。
 だが――あれが全ての始まりなのだとしたら。

堂上はマグに残っている黒い液体に映った自分の瞳を、じっと見詰めた。


「そうだ!堂上教官も一緒にやりませんか?ペープサート」

突然、くるりと回転椅子を回して顔を覗いてきたのは、色素の薄い瞳だ。

「は?それはお前が柴崎から請け負ってきた仕事だろうが。何で俺まで巻き込む」
「でも白雪姫をやるのにどうしても手が足りなくて。柴崎は朗読係りだし、他の業務部員の人数も限られてますし…。手塚とあたしとじゃ、どう考えても7人の小人までは手が回らないんですよー」

両手に持った小人の人数は、確かに四つの手では持ちきれない。堂上は顰め面で小人の絵を睨むと、ちょっと貸してみろと郁の手から小人を奪い取った。

「お前な、もうちょっと考えろ。別に小人はみんなバラバラの動きをすることもないだろ。みんなくっつけて纏めて動かせば一人で足りるだろうが」

ペープサートを横に一列に並べてデスクの上に置くと、郁が立ち上がって堂上の横に顔を近づけた。

「あ…そか。そういう手もあったかー!!」

見る見る間に郁の表情が華やいでいく。画用紙の上に置いてあった堂上の指に、郁の細い指が触れた。

「あ、教官すみませんけどそのまま!今テープで貼っつけちゃいますから」

背中を見せた部下は、自分のデスクの引き出しをごそごそと開けている。堂上は止まったままの手をどうにもできずに、座った姿勢まで固定されたままだ。

ちょっと待て。
 何で俺はこんなことで動揺する。
今更ながら触れ合った指先が熱を持つ。
 頼むから顔にまでは伝染するな。
 鼓動が耳奥に響いて煩いが、そんなことはもうどうでもいい。

郁が振り向いて堂上を見やった。

「あれ?教官ちょっと顔赤くないですか?もしかして具合でも…」
「何でもない!いいから早く片付けろ」

焦った表情の堂上を訝しみつつ、郁がセロハンテープを切ってデスクに近づいた。小牧が背後で笑いを堪えているのが気配で分かった。
 お前、ここで何か言って見ろ。午後の訓練で嫌と言う程畳を拝ませてやる。ジロリと凶悪な視線を後ろへ流そうとした矢先に、ふいに郁の細い指が堂上の手に触れて、思わず身を引きそうになってしまった自分を詰る。
 郁の爪の形が綺麗だったなんて、一瞬でも思った自分が信じられない。
己の節くれだった手の大きさとは違う華奢な手や、細い手首に見惚れてしまっただなんて。
 同時に郁の制服のネクタイが堂上の腕に触れると、その僅かな距離に今更ながら慄いた。


syotasan3


何だ俺は、一体どうした。
 ほんの少し触れただけで、こんなに乱されてどうする。
 一体幾つなんだ俺は!

堂上の肩と郁の腕がぶつかって、その拍子に仄かな香りが鼻をくすぐった。

「笠原、お前香水でも付けてるのか?」

ふと口を衝いて出た台詞をしまったと思う間も無く、郁がきょとんとした顔ですぐ横の堂上の眉間の皺を見下ろした。

「いえ、付けてませんよ?ええ!?あたしなんか変な匂いしますか?」

焦って自分の二の腕を鼻に近づけた郁の顔を何故か見ることが出来ず、堂上は小人のおどけた表情を見つめ続けたまま慌てて言葉を紡いだ。

「いや、何かいい香りが…」
「あ、それなら昨日柴崎にお風呂上りに付けられたボディークリームかも知れないです。日焼けしっぱなしじゃ乙女の沽券に関わるって無理矢理…。いい香りですよね、グレープフルーツなんですって」

にっこり笑って安心したように作業に戻る郁の横顔を見ることもなく、堂上は後悔の坩堝で項垂れた。
 風呂上りのボディクリームにまで言及する上官て一体何だ!?益々赤くなる耳を小牧が逃すはずもない。
 とうとう堂上の背中で、小牧が噴出した。

「ど…どうじょ…お前意識しすぎッ…」
「煩い黙れ!」

思わず手を離して後ろを振り向く。その横で郁が「ああっ教官ちょっと待って!」と非難の声を上げた。

「あはははっ!!おま…可愛いなっ」
「小牧、お前後で覚えてろよ!」
「あ、そんな事言っちゃっていい?笠原さん、午後の格闘訓練で今日は堂上と組んでやって」
「おまっ……!!」

涙を浮かべて堂上の鋭い視線を難なく逃れた小牧は、震えながら郁に向かってそう言い放った。堂上は既に立ち上がって小牧の肩を押さえ付けている。

「教官と…ですか?はあ、どんと来いですけど」

郁がセロテープを片手に二人の上官を見やって、首を傾げている。手塚が横で「お前その台詞は10万年早いだろ」と冷静に突っ込みを入れると、作りかけの王子様のペープサートに取り掛かった。

「甘い香りの笠原さんとの組み手も、なかなか乙なもんじゃない?班長」

それとも他の隊員にもそんな笠原さんを分けてあげる?とヘッドロックをかけられたまま、小牧が横目で堂上にこそりと囁いた。



――――罠だ。

どこもかしこも、あいつが仕掛けた罠で満ちている。


 堂上は深い深い溜息を吐いて小牧を放すと、「お前その発言後悔するなよ?」と郁に向かってジロリと睨みを利かした。



<了>



きょーかん、ムラムラしすぎです!!!(爆笑)
郁ちゃんの爪とか匂いに反応する大人のエリート。も、萌え…!笑
ショウタさんの教官は郁ちゃんにメロメロ片想いな感じがして(※褒めてます!最高に)
読んでいて可愛い~!と叫んでしまいます。

お祝いSSを頂戴できるとの事で私がショウタさんにお願いしたのが
「上官部下時代でジレ期の甘い堂郁」か「堂上さんと小牧さんの大学時代のお話」でした。
両方の要素を兼ね備えた作品~~!!
私、堂上さんと小牧さんがいちゃいちゃ(ちょ)じゃれている様が大好きなのです!
(別冊Ⅱの「昔の話を聞かせて」が好きすぎてもう)
「あはははっ!!おま…可愛いなっ」
「小牧、お前後で覚えてろよ!」
のやりとりにキュンキュンきましたですよ…!いや変な意味じゃなく!笑

今回挿絵は色々なシーンを切り取ってみました。どれがどのシーンのイメージか想像して頂けると嬉しいです。



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Posted on 2012/08/16 Thu. 10:52 [edit]

category: 素敵頂き物♪

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