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○ 絡げる指 / クチビルニ ユビサキ ○ 

こんばんは。
今日は図書館の日☆ここは素敵頂き物を上げないわけにはv
明智様から頂いた堂郁小説をアップさせて頂きます!
明智さん、素敵な作品をありがとうございますー///

明智さんの文章力に魅せられた皆さま、お待たせいたしました。
今回は前編・後編の2部構成でボリュームたっぷり♪
本日は前編を掲載させて頂きます。
そして、後編は18禁です。
18歳以下の皆さま、大変申し訳ないのですが後編は閲覧をご遠慮ください。
本日の前編は指定なしですが、見たら続きが気になっちゃうことうけあいなので
後編をご遠慮いただくにあたってはお勧めもし辛いところです;
18歳になられたらお楽しみください!
お誕生日の際には私も盛大にお祝いさせて頂きますのでvv(ええーーー!)

前編、以下畳みます。



公休日の前日、こうして二人で夜を過ごす事が“いつもの事”になって暫く経つ。
しかし今日はいつになく遅くにチェックインする羽目になった。予定ではもっと早くに基地を出て、
二人でゆっくりと夕食を取ってから向うはずのこの部屋に、コンビニのビニール袋を下げて着いたのは今しがた。
――日付が公休日に変わる小一時間程前の事だ。

「お疲れさまでした」

「……まったくだ」

部屋に入ってすぐ鬱陶しげにスーツのジャケットを脱ぎ、ソファの背に投げ掛けるとそのままどさりと身体を沈め、
腹の底から湧き出てくるまま溜息を漏らす。思わずふて腐れた様な口調になってしまった返答に郁はくすくすと
笑いながら、無造作に投げ出したジャケットをそっと手に取ってハンガーに掛け、自分のと合わせてクローゼットに
しまってくれた。そうした何気ない動作を目の端に映しながら「いいもんだな」と思う。
――思ってしまう程度に疲れている。特に精神的に。

「はい、まずはコレですよね」

眉間の皺を揉み解している目の前に、気遣わしげな声を添えて缶ビールが差し出される。
それを「ん」と返事をして受け取り、ソファに沈めていた身体を浮上させる。
ささくれ立った感情のままプルタブを八つ当たり気味に開け、半分ほど一息に呷ってからぷはーっと
爽快に息を吐き出す代わりに、愚痴と一緒くたにして吐き出した。

「~~~~あンの、クソオヤジッ!!」

いまだ収まる気配の無い怒りの矛先が向けられているのは『クソオヤジ』こと玄田竜助一等図書監。
我らが図書特殊部隊隊長殿だ。そして発端は今から数時間前、ちょうど本日の終業間際に遡る。

__________________
○ 絡げる指 / クチビルニ ユビサキ ○
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

郁にしては手際よく日報を書き上げて持って来たのは、小牧や手塚に遅れる事ものの5分。
特筆すべき事も無い平和な一日だった事を差し引いても、かなり早い部類だった。
ざっと目を通している間、机のすぐ脇に立って待つ郁がどことなくそわそわしているのが見なくても解る。

――お前はボールを投げてもらうのを待っている犬か。

口元が緩みそうになるのをペンを持つ手で押し止めてから、ちらりと視線を流して郁を伺い見ると、
ふさふさの尻尾をパタパタして『良い子でステイ』している風に見えて、今度こそ吹き出しかけ咳払いで誤魔化す。

こんな事を考えてしまっているあたり、浮かれているのは自分も大概だと思う。
だが久しぶりにゆっくりと二人で過ごせる時間がもう目前まで迫っているのだから、それも仕方ないというものだろう。
さて、確認の判を押せば二人揃って今日の業務は終了――というタイミングで、廊下からドカドカと重量感のある足音が
響いてきて、嫌な予感にピクリと頬が引き攣った。

「まだ帰ってなかったか堂上、イイトコに居た!」

勢い良く事務室のドアが開け放たれるや否や、どこかで聞いた事のある――というより結構しょっちゅう聞いている台詞が
大音量で降ってきて、思わず声の主に背を向けたまま苦虫を纏めて5,6匹噛み潰す。舌打ちしなかっただけまだマシだ。
「帰ってない」ではなく「まだいる」確実なタイミングを狙って、中を確認するより先に声を発しているだろう、アレは。

口に戻って来た苦さを洗い流すようにビールを煽る。まったく発端を思い出しただけでも業腹だ。
玄田がニヤリと笑いながら吐いた台詞を思い出し、今度こそ遠慮なく舌を打つ。

「なにが『今夜がマズけりゃ、別に明日朝一でも構わんぞ?』だ!やってられるかッ!」

仕事内容的に緊急性はそれなりに有った。だがそれは玄田が放置していた為に緊急になってしまったというのが正確なところで、
そのお鉢を自分に回してくるのは良くある話だが、なぜよりによって今日、今なのかと苛立つ。
「大体、ギリギリまでやらないで溜めるから面倒なだけであって、一つ一つその場で片付けてしまえばいいことでしょうが」と
これを言うのも、もう口が酸っぱい。なんで上司に対して夏休み最終週の母親みたいな事を言わなきゃならんのだ。

「ンなこと言っても、なあ?笠原」

すぐ側で成り行きを見守る羽目になっていた郁に同意を求めながら、チラッとこちらに向けた玄田の視線に悪寒が走った。
敵が登場した時点で早々に郁をこの場から離脱させなかった痛恨の采配ミスに気づく。
クソ!その手でくるか!!……あの目は――要請に応じなければ郁の方をからかうぞと脅迫している目だ。

いくら付き合い初めののっけから折に触れからかわれてきているとは言え、このタイミングで妙ないじり方をされたら、
まだ“その手の事”の対処に慣れない郁がパニックになって、最悪「外泊を取り消す」と言い出しかねない。
しかも当の郁は玄田の思惑なんざ微塵も気付かず、思い切り不服ですという顔をして剥れている。
あっちにとっては狙い通りの反応だ。

「あんたって人は……」

「なぁに常套だろうが」

会話の脈絡が見えず上官二人の顔を交互に見比べる郁は、ゴールテープが遠のいた事にまだ気づいていない。
そんな郁の頭を玄田が、わしりと掴んで「それが笠原の良い所だ」と笑いながらかいぐる。いつもなら微笑ましく見られるそれが
今は無性に癇に障る。触んな!それは俺のだ!――なんて格好の餌になるような言葉も表情も、見せない術は心得ているが。

「――笠原、ここだけ修正し終わったら帰っていいぞ」

あえて玄田にYESと言わないまま、手に持ったペンを胸ポケットに戻してシャーペンに持ち替え、日報にチェックを入れて渡す。
目も合わさずに返されて、郁は玄田にくしゃくしゃにされた髪を両手で撫で付ける手を止め「え?」と小さな声を上げた。

「何かあるのか?」

「いえ、お先に……失礼します」

視線で、遅きに逸したこの場からの離脱を促すと、何がどうなったのか解らない顔のまま会釈をして自分の席に戻っていく。
本当は日報に修正する所なんか無かったが、席について確認すれば走り書きに気づくだろう。
「二一三〇 メールタイキ」
不覚にも奸計に陥って遅くはなるが、必ず連絡するから間違っても今夜の予定が流れたなんて勘違い、してくれるなよ?

そう思いながら少し落ちた郁の肩を見送った一瞬の隙を突いて、玄田の太い腕が首に回り込みヘッドロックが決められた。
これで絞められたら確実にオチるところだが、拘束は解けないが苦しくも無い絶妙な力加減を一発で綺麗に決めてくるあたり、
タスクフォース隊長の名は伊達じゃないと時々思い出させてくれる――なんて妙に感心した所に小声で、

「まぁそんな顔すんなって。もう笠原だって“真夜中になったら逃げちまうお姫様”って訳じゃねーだろ?」

郁に聞こえたら沸騰確定な台詞を呟きやがった。しかも「なぁ?お・う・じ・さ・ま」と、ろくでも無い呼称付きだ。
いくら緘口令が無効になったに等しいからと言って、いいかげん王子、王子うっさいわッ!!

だが郁の前でこの件を愚痴ったら沸騰確定の台詞から言う羽目になるし、斜め方向にへこまれそうだ。
うっかり何か言葉を発してしまう前に缶に残ったビールを勢い良く空け、センターテーブルに強かな音を立てて置く。
いつまでも引き摺っていたら、やっと漕ぎ着けた二人きりの時間が更に減るだけだと、カンッと乾いた響きを合図に
気持ちの切り替えを計った。



「……なんか、反則」

そういえばまだネクタイもしたままだと、結び目に指を差し入れ緩め、しゅるりと引き抜いてワイシャツのボタンを
二つ程寛げた所でボソリと呟かれた。

「なにがだ」

どこに繋がるのか理解できない台詞の意図を郁に求めると、ハッと気づいたように自分の口を塞ぐ。

「何が反則なんだ?」

「あ、いえ、その、言ったつもりは無かったんで……」

「もう遅い、口に出したからにはちゃんと説明しろ」

いつもと変わらない詰問口調に、郁はしどろもどろになりながら視線を泳がす。
その火照った頬に手を伸ばし、耳の後ろを指先でさわさわとくすぐりながら「いーく?」と促すように名前を呼べば、
もう心地よい、恋人同士の間合いだ。

くすぐったそうに首を竦める郁が、何度か言葉を探すように口を開いては閉じるのを根気よく待つ。
こうやって照れた郁が覚悟を決めるまでの間、表情を見ながら待つ時間が思いのほか幸せだったりするのは、
階級章を返されたあの日を思い起こさせるからだろうか。

あの時は枕元の椅子だったなと思いながら、自然に郁の頭に手を伸ばし髪を撫でると、郁は意を決したように
ちょこんと俺の膝横で正座してみせる。それから背筋をまっすぐ伸ばし、頬を朱に染めたまま大きく息を吸って――

「教官て時々めちゃめちゃセクシーなんで、なんか反則だなと思いました!」

「―――――――――― は?」

勢い早口に捲し立てられた台詞はちょっと……いやかなり意表を突いてきた。
今までのほんわりとしたイメージがピシッと音を立てて袈裟懸けに崩れ、思わず二の句が吐けずに固まる。
すると郁は開き直ったように言葉を繋げた。

「なんて言うか、大人の男の色気?みたいなのを気前よく撒き散らす……って言うか」

「……撒き散らすってなんだ」

結構な言われようにガクリと力が抜ける。
彼女にまでおじさんだと笑われるよりはなんぼかマシと思えなくも無いが、それにしたっていったいなんだ。
人を発情期の動物かなんかみたいな言い方しやがって。

「う~、上手く言えないんですけど!仕種とか表情とか?妙に心臓に悪い時があるって言うか……」

「お前なぁ……まさかいつもそんな目で――」

「なッ!それどんな変態ですか!それにいつもって……そんなぬるい教育受けてません!!」

少し冗談めかしたら、顎を引いて器用に上目遣いをしながら唇を尖らせて抗議された。
でもお前、それ俺に言うか?そのぬるくない教育とやらをお前に施したのは誰だ。俺だろ?
そもそも「いつも」とは言ったが、誰も仕事中なんて言ってないのに――知ってるか?それ、自爆って言うんだぞ?
なんて思った瞬間、ツボに入って吹き出した。

「わ、笑うなぁ!!」

「無理だ」

「即答とか!ひど……!!」

「そういうな。今のお前めちゃくちゃかわいい」

笑った拍子に口が滑った。視線がぶつかり無言のまま3秒あけて赤面する。
普段から思って居ても口に出さない言葉とはいえ、いったいいくつだ?俺たちは。

「……で?お前の言う所の“大人の男の色気”とやらはいつ撒き散らしてんだ?俺は」

居た堪れない沈黙を破って話の接ぎ穂を拾いながら、再び戻ってきた上戸をクツクツと噛み殺す。
脇道から復帰した会話に気恥ずかしくなったのか、郁は頬を掌と甲の両面で冷やすようにしながら

「だから、恋人として?一緒にいると急に増えるんです。その、今とか」

――お前はまたそういう事をしれっと……って!そこで俯くな!気恥ずかしいのは言われたこっちだ!アホゥ!

「まぁ、なんだ。そういう事なら、そんな俺を知ってるのはお前だけだ、安心してときめいとけ」

ちょっと待て。ときめいとけってなんだ!
郁を笑えない程度に自爆して、逆噴射に照れ隠しでガリガリと頭を掻きつつ、郁の視界から顔をそらした後ろから
「え?」と小さく聞こえて本日二度目の意表を突かれた。

「えってなんだ、えって」

振り返れば口に手をあてる郁――だから!今更押さえても遅いって言ってるだろうが。
頭を掻いていた手をそのままソファの肘掛にのせて、頬杖をついた格好のままジロリと郁を見下ろす。

「――――――説明」

「あの、気にしな……」

「気になる。二度言わすな」

男の色気とやらが恋人として過ごす時だけ出るもんだっていうなら、今の会話に疑問の余地は無かったはずだと、
思い巡らせた所ではたと気づく。まさか――

「その――前の彼女さん?……とか」

なんとなく、そうくるかと身構えた予感が的中して上体が傾ぐのだけは堪えた。
表情と声色からして、これは素だ。後先考えず素朴な疑問をぶつけやがっただけだ――でもな

「はぁ~……」

「教官?」

盛大な溜息をついた顔を上目遣いで覗き込んでくる大きな瞳に他意は無い。それは解っている。
だがむしろ他意がない事に、ゆるくへこめるぞ?俺は。
今まで誰とも交際した事がないとは言わないし、この歳になるまでにそれなりの付き合い方もしたが、
なんでお前、彼氏と二人きりの時に昔の女の存在を持ち出してきて、しかもけろっとしているか。

自分の吐いた台詞がどんな深い意味を持ってたのか、頼むから少しは気づけ。一応妙齢の女だろうが。
ぬるくない教育を施した身としては、案件は脳まで持っていけとも教えたはずだ。
肘をついた格好のまま、ちろりと視線だけを流して郁の思考回路に爆竹程度の発破をかける。

「それ、 嫉妬か?」

「……へ?」

予測もしていなかった反撃に出られて「へ?」と言った口のまま郁の表情が停止する。
それから優に数秒かかって脳内フローチャートを解析して、導き出された結果でやっと発言の意味に気づいたのか、
ゆっくりと目が見開かれた

「え、あ、いや、その、そういうつもりじゃなくて……」

「ふぅん?」

「…………………………すみません」

ポーズだけは剥れてみたものの、別に気にするほどの事でも無いし、刺さりもしない。
いつも無自覚な爆弾発言を喰らわせてくれる恋人に、たまにはお灸を据えてみるとしたもんだろうと思ったんだが――
なんだ、爆竹よりは威力有ったか。
小さく肩をすぼめて縮こまってしまったのが可笑しいやらかわいらしいやらで、そろそろ冗談だと話を畳んでやるつもりで
郁の頭に手を置いて、ぽんぽんと弾ませながら呟いたのは――ほんの悪戯心だった。

「見てみるか?」

「……はい?」

「誰も……俺自身ですら見たこともない俺を」

思った以上に低く真摯に響いた声に自分で驚く。胸の遠くをざわりとなにかが過ぎり、それがなんだったのか
自分でも解らないまま郁の答えを待つ。
今度こそ冗談だと話を畳むつもりでいたのに「見せてくれるんですか?」と郁が瞳を輝かせたのを前にして気づいてしまった。

過ぎったのは『欲』だ。

取り憑かれると多分非常に厄介で、性質が悪い部類の。
なぜ多分なのかといえば、今までそんなもんに取り憑かれた覚えが無いからで。
ならば確かにそれは『俺も知らない俺』だと甘美な誘惑が正当性を主張して、もう満たされる為の罠を仕掛に掛かる。

「――お前になら見せてやる」

「なんかそれ、特別っぽいですね」

「……ぽいってなんだ」

グイと郁の手を引き寄せて触れるだけのキスをする。

「“ぽい”じゃ無くて特別なんだ。いいかげん解れ」

鼻先をつんとぶつけて甘く咎めてから、何度か角度を変えて唇をついばんで、
「逃げてくれるなよ?」と吐息に乗せて囁けば「う、受けて立ちます」と返ってくる。

――郁ならそうくると思った。
昔の俺にそっくりなお前が、どう問えば望む答えを導き出すかなんて想像に易い。
バカだった頃の自分を思うとうんざりするのに、そっくりなお前のバカはなんでこんなに愛しいんだろう。

「見せるからには途中で待ったは無しだ」

少し濡れた下唇を親指の先でなぞってから、小脇を抱えて立ち上がらせると郁は「……え?」と、目に見えて動揺した。
見え透いた罠にみすみす自分から飛び込んでおいて、今頃やっと気づいたのかとほくそ笑む。

「今夜は手加減しない、覚悟しとけ」

「ちょ、なんでそっち!?って……ンンッ!!」

答えを聞く前に唇を塞いだ。受けてたつと言質を既に取ったからには今更抗議は受け付けない。
思考を奪うように深く舌を絡めながら、後ずさる郁をベッドへと誘導する。唇を離して軽く肩を押してやれば、
郁はそのままぽすんと後ろに倒れた。

――さて、俺も知らない俺って奴はいったいどんなんだろうな?郁。

冗談めかして口火を切った時にはきっともう、箍は外れていた。
目の前で窮地に陥った『バカな子うさぎ』の潤んだ瞳の引力に導かれて再び口付けながら、
夜の幕を開けるように郁の両手を片手で柔らかく枕元に纏めあげた。

-- to be contimued.
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Posted on 2012/04/30 Mon. 21:05 [edit]

category: 素敵頂き物♪

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