08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --

--

『 イルカの恋 』 side_D(その2) 

お待たせいたしました、明智様から頂いた「イルカの恋」スピンオフ、昨日の続きです。

こちらは昨日の記事と私の以下2記事をご覧頂いた後、お読みいただけますと幸いですv
イルカの恋3
イルカの恋・最終回

堂郁ノベライズです。むっちゃイイです。グイグイきます。
元ネタの漫画を越えているところがなんとも…!!(泣笑)柴崎も出てきますよっ♪
挿絵漫画は私です。作品の途中で水を差してすみませんです;
「お前は~~~ッ!!」も描きたかったなあ。笑
以下畳みます。明智様の華麗なる文章をお楽しみください。


『 イルカの恋 』勝手にside_D(その2)

[番犬は鼻も利くのです]

両手に荷物と溜息を抱えて雑踏の中を歩いていた。
もうとっくに寮に戻ってのんびりしているはずの時間に、なんでこんな大荷物を抱えて夜の街を歩いて居るのか。
答えを出したくもない自問が浮かんでくる度に、車道を行き過ぎるヘッドライトと共に起こる風が思考を攫ってくれた。

次の角を曲がればそろそろ駅前のストレートに差し掛かるかというあたりで、飲み会を終えた学生風の男女数人が、
店の前の歩道に溜まってテンションの高い笑い声を撒き散らしているのに行き当たる。
堂上は軽く溜息をつき、予定していた表通りより1本裏道を行く事にした。
これだけの荷物を抱えてああいった手合いの側を通るのは、いらぬ揉め事を呼び寄せるような物だ。
正直な所、これ以上の面倒ごとはご免被りたかった。

もういっそタクシーでも拾って玄田に領収書を叩きつけてやろうかと思いながら、街灯の少ないビルの間の道を抜け
再び街路樹のある煌々とした広い道に出た所で目を瞠った。


―― すぐ側の植栽に腰をかけて気持ちよさそうに目を閉じた女が一人。


それはどう見ても自分の部下で、何やら幸せそうな表情をして夜風に当たっていた。

「笠原?」

思わず声をかけると笠原はゆっくり目を開けて、それから少しとろんとした双眸で俺を捉える。

「何をしているんだこんな所で」

この程度の呼び掛けで目を開けたという事は寝潰れていたのではないようだが、
こんな時間にこんな所で女が一人、何をやっているんだと訝しむ。

「お前、業務部の連中と食事に行ったんじゃないのか」

周りをざっと見渡しても、それらしき人影は見当たらない。
どうした事かともう一度「笠原?」と呼びかけた次の瞬間、
呼びかけた相手が腕の中に飛び込んできて、両脇に抱えた荷物を取り落としていた。

「笠原!?」

あまりに予想の斜め上を衝く行動に出られて『状況の判断が遅れた』と認知した時には既に
しがみつくように飛び込んできた笠原を抱き止めてしまっていた。
あくまでとっさに支えるつもりでとった行動ではあったのだが、意識が追いつき状況を把握して……
回した手が触れる制服越しでは解らない、自分より華奢な肩と腰の細さに、封じているはずの部分がギクリと反応する。

――ダメだ!意識するな!!……ここに居るのは手の掛かる部下だ。
――胸に飛び込んできたのが惚れた女だ何て事は、思い出すな!!

ガタガタと音を立てて揺さぶられる自制の蓋を、力技で押し止める。
無自覚なコイツが放つ無意識の爆弾に、もう何度抱きしめてやろうかと思ったか知れないけれど、
その度にこうして押し沈めてきた。それなのに。


わざわざ自分から飛び込んでくるなんて、お前やっぱりアホだろう。


人の気も知らないで……いや、知られては困るのだが。
あんまり人の理性を試すような真似を、その気もないのにやらかしてくれるな。頼むから。
―――性質が悪いにも程がある。

「笠原、お前酔ってるな?」

回してしまった手をそっと二の腕の位置まで戻し、肩口に顔をうずめる部下に努めて上官の声で確認する。

「酔ってないれす……」

「どの口が」

ほんのりとアルコールのにおいを漂わせながら、舌たらずな答えを返しておいて、どの口が酔ってないとほざくか。
そもそも、酔ってなかったら俺の胸に飛び込んでくるなんて真似はしないだろうが。アホウ。
酔いつぶれると本音駄々漏れな寝言をいうのは知っていたが、抱きつき癖があるとは知らなか……

「会いたいって思ったら……教官、現れるから」

「!!!!」

それも――――酔って漏れた本音、なのか?
お前は、今、俺の事を想っていたと言うのか?
想って、会いたいと―――目の前に現れたら思わず抱きつく程に、強く。


―――――惚れている相手にそんな事を言われて、跳ねない心臓の持ち主が居るならお目に掛かりたい。


「笠原ー……」

一瞬の混乱は、突然開けられた店の戸と共に、笠原を呼ぶ男の声で遮られた。
馴れ馴れしい口調で笠原を呼びに来た男は、見覚えの無い男だった。
確か今日は業務部の奴らと食事に行くと言っていたはずだが、こんな男が業務部にいた覚えは無い。
と、そこで基地を出る前に偶然行き会った柴崎の言葉にようやっと合点がいく。

「今日は元々残業の予定が入っていたんです――都合よく」

軽い溜息をつきながら何かを含んだように微笑んだ柴崎に、都合良くとはどういう意味かと思ってはいたが、
なるほど、そういう趣旨の飲み会か。女性職員としては柴崎が来られない日をあえて選びたいような意味合いの。

「あれ?あんた誰?」

隠し事の出来ない笠原のことだ。どうせ本当にメシだと思って呼び出された挙句飲まされたって所だろう。
という事は―――こいつはさしあたり、笠原に狙いをつけた馬の骨って所か。
目の高さだけは買ってやる。だが――

「こっちの台詞だ。お前か。こいつに飲ませたのは」

支えていた笠原の腕を軽く促して自分の後ろに匿う。
いや、むしろ下心を隠しもしないこの男の視線に晒したくないというのが本音だった。

「は?あんたに関係ないんだけど」

酒に弱く“お持ち帰り”もちょろいと思った目当ての女が、都合よく一人になった所を追ってきたら、
なんだか目障りなもんが居て気に食わない……という空気を纏っているのが解りやす過ぎるほど解る。

だが生憎だったな。

お前如きにどうこう出来るほど、こいつは安い女じゃない。バカが。
へらへらと笑う、若いやつら特有の相手を見下した言い回しなんかでこちらが臆するとでも思っているあたり――


「こいつは俺のなんでな」


――――踏んだ場数の差も読めない小物は引っ込んでろ。

今しがたの威勢はどこに行ったのか、一瞥で青ざめるた男に笠原を連れ帰る旨と荷物を同期に預けるよう言伝れば、
張子の置物よろしく首だけカクカクと縦に振って、小さな返事をするが早いか店に転がるように戻って行く。

――――そうだ、さっき一言入れ忘れた……正確には「こいつは俺の“部下”なんでな」だ。

ピシリと音を立てて閉じられた店の引き戸に向って心の中だけでそう呟く。
呟いてから気づいて、わずかに眉を顰めた。


sided2


どうやら自分は、わざわざ意識する程度にはあの男の吐いた「あんたには関係ない」の一言が刺さっていたらしい。
――――うるさい。そんな事はキサマに言われなくても解ってる。誰よりも俺自身が……痛いほどに。

忙しなく頭の中を巡る感情を、小さく息を吐くついでに外に逃がしてから
後ろに促していた笠原の腕を取って向き直ると、背中に感じていた軽さそのままに、くたりと肩に寄りかかられた。

「笠原、歩けるか」

背中を支えながら声をかければ、頬に触れる程近くで「ん……」と鼻に掛かった吐息で返される。
……無防備な面晒しやがって。全く世話の焼ける――――“部下”だ。

「きょうかん……」

へにょり、と微笑んで夢うつつで俺を呼ぶ声に「なんだ」と答えようとして躊躇する。
そういえば似たような状態の笠原を背負いながらコレに答えて、色んな意味で痛い目を見た事がある。
さてどうしたものかとそっと顔を覗き込めば、その表情は安心しきっているそれで――――
この立ち位置は喜ぶべきなのか、嘆くべきなのか。

もちろん上官としての意味で――――と付け加えようとした矢先に

「大好きです」

続けて放たれた超弩級の爆弾で、頭の中に渦巻いた感情は白く霧散し、目を見開いた。
そんな無防備な表情で、意識を切り離した身体を預けた状態で、なんつー事をお前は―――

「……」

「教官に……もらった…………………もも…イルカ」



――――――ああ、そうかい。……って笠原、お前は~~~ッ!!!

どうせそんなもんだろうと妙に納得している自分が悲しくなるわ、一瞬期待した自分が恥ずかしすぎるわで、
イイトシこいてもんどりうちそうだわッ!どうしてくれる!いや待てどうもするなッ!
……クソッ!!どんだけ動揺してるんだ、俺はッ!!!

「教官のおかげです~……」

始末に終えない無意識で人を良い様に揺さぶるだけ揺さぶっておいて、まだその寝言には続きが有ったのか。

「……本当になんなんだお前」

溜息交じりに嘆いては見るものの、こいつの呟き一つ一つが爆弾に化けたり不発弾に変わったりするのは、
結局の所、俺の都合だ。自分の感情に向き合う事を避け、曖昧に答えを出す事から逃げている自分のせいだと、
解っている……頭ではな。
だが、やっぱり爆弾の余波は耳に熱く残って燻る訳で―――



―――性質が悪いにも程があるだろう!この、どあほうッ!!!



fin.


私が描きたかったのって正にこれ!!!と思わずのた打ち回ってしまいました。
すごーい…!私のイメージしていた詳細が完璧に具現化されています。
柴崎が飲み会という名の合コンに来なかった理由も私の考えそのままです。
呼ばれなかったという理由に加えて、郁ちゃんを止められないように
彼女の残業の入るであろう日を選んで合コン設定されちゃったという。
細かい部分を明智さんにお伝えした訳ではないのに、私の気持ちを汲み取って完璧に文章に起こして下さいました。
明智さんてばエスパーかと><//

「封じているはずの部分がギクリと」とかは漫画では(私の力不足で)表現できないので
教官の心(と身体の←ちょ)の細かい動きを書いて下さり、こちらの作品を頂いて漫画が完成した思いです^^
「制服越しでは解らない」とかの描写もスキです☆直接的表現じゃないのにこうムラムラした感じが!笑

もし5万HIT記念本「Love you All」をお持ちでしたら、明智様の作品を踏まえて頂きつつ
再度ページを開いて頂けますととっても嬉しいですv/^^
明智様、素敵な作品をありがとうございました!!
スポンサーサイト

Posted on 2012/03/27 Tue. 21:57 [edit]

category: 素敵頂き物♪

TB: --    CM: --

27

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。